Column No.25 (2003/04/23デイリースポーツ掲載分)
◎「神」去って、プレイオフ

 今度こそ、神・マイケル・ジョウダンが引退した。公約のウイザースをプレイオフに連れていくことは出来なかったが、神でも嘘をつくのか、などということはない。ジョウダン復帰がバスケット界に与えた効果は若者への夢、経済面など計り知れないものだった。ジョウダンが復帰した2年前のこのコラムで、私は「神」の力を借りても、ウイザースは35勝から40勝だろうと予想したが、残念なことにそうなってしまった。これがバスケットなのだろう。一人の力での限界と年齢からの体調管理は「エアージョウダン」には戻れなかったのだ。あの無敵のブルズ黄金時代は、名将フィル・ジャクソンのトライアングルオフェンスやピペン、ロッドマン、グラント、ハーバー、ヒルらが機能したからで、決してジョーダンのワンマンティームではなかったのだ。ジョーダン効果を評価するには、来年からのウイザースが後継者・スタックハウスが真のリーダーとなり、ジョーダンが身をもって示した教えを若者が具現化出来るかにかかっているといえよう。
 私もジョーダンへの思いは深い。初めて実況したのは、1984年のロサンゼルス五輪の決勝戦、当時はノースキャロライナの学生、五輪メンバーとしてはエースではなかったが、期待の若者だった。ジョ^ダンの全盛期、NBA、1992年のバルセロナ五輪のドリームチームなどをNHKのマイクで伝えてきた。そして今年、Jskyスポーツでのキングス戦がお別れのマイクになった。「マイケル・ジョーダン、静かにコートを去ります」。
 ジョーダンが去ったNBAは、いよいよフィナーレのプレイオフが始まっている。見所はレイカーズの4連覇だが、私は厳しい戦いだと予想している。去年、キングスは追いつめながら逆転負けした・順当に行けば西カンファレンスの決勝で当たるが、両者がそこまで行くのも今年は楽ではない。なにしろ第一ラウンドから7回戦制とタフになった。ティーム力が問われるのだ。キングスはティーム力が厚い。コーヒー、シャックの二人の力でレイカーズは進めるのか、今年こそキングスにご褒美をあげたいのだが・・・・・



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