Column No.28 (2003/05/14デイリースポーツ掲載分)
◎地域ゴルフの発展

ゴルフ解説者の沼沢聖一プロと

 米と日本のゴルフの大きな格差の一つに地域との結びつきが上げられる。米には厳しく限定されたプライベートもあれば、誰でもが楽しんであそべ、教えてもらえる公営のゴルフ場が沢山ある。
 夕方、近くの子供たちは練習レンジ、グリーン、アプローチ場で指導を受けながらも、遊び感覚で倶楽部を振っている。
 トーナメントの運営も地元の人々がボランティアで張り切る。町の商店が集まってスポンサーになるツアートーナメントさえあるのだ。地域とゴルフの結びつきが強く、生活の中にゴルフがあり、贅沢な金のかかる接待ゴルフとは程遠い。そして、どこでもスポーツとしてジュニアゴルファーの育成の力を入れているのだ。
 先週末、信越地方の上越市でゴルフ連盟が発足し、記念の会があり私もゴルフ解説者の沼沢聖一さんとのトークショーで協力させてもらった。上越市は高田と直江津が合併して30年になるのを記念して、市の体育協会に40番目のスポーツとしてゴルフを加盟した。市民の愛好家を増やし、ジュニアゴルファーの育成をテーマにしたものである。
 「タイガーウッズの強さの秘密」という話をタイガーのコーチのブッチ・ハーモンと親しい沼沢さんにしてもらい、会場は興味深い裏話に大いに盛り上がった。2日目は残雪の美しい妙高サンシャインGCにおいての記念コンペが行われ、全員が沼沢氏のワンポイントアドバイスを受けたおかげで、大幅にスコアアップした方が続出した。
 大会後の会食の席に参加したゴルフ好きの木浦正幸市長、「スポーツとして市民に浸透してほしいし、子供たちの育成の場をつくりたい」と、熱っぽくゴルフへの思いを語っていた。「ぜひ、公営のコースを造ってください。誰もが楽しめて、広場でのキャッチボール感覚でゴルフに接する。午前中はお年寄りが、放課後は子供たちが集まって遊ぶ。ゴルフ場がジュニア育成につながるのですから・・・・・」最後は沼沢さんと私の陳情のような提案になった。
 生活の中のゴルフ、日米の格差はプロの力の差だけではない。



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