Column No.29 (2003/05/21デイリースポーツ掲載分)
◎歴史に挑戦するアニカ

 今週、米で最も注目されているスポーツはゴルフのツアー・バンクオブアメリカコロニアルに女王アニカ・ソレンスタムが挑戦することだろう。
 去年の10月、5回目の賞金女王が確定した頃から、アニカは次の高い目標を設定した。今度は男子に混じって実力を試してみたいと思ったのだ。
 ここ数年のトレーニングの成果で、以前は飛躍距離の出る方ではなかったアニカが、280ヤードは飛ばす。 去年はとうとう平均ストロークが68点台に突入した。
今年も米女子ツアー5試合で1勝、平均飛距離275ヤードで2位、FWキープ76.5%、スコアー69.22でトップ、日本女子ツアー・ニチレイでも9打差をつけて圧勝している。
 正直言って穏やかでないのは米ツアーの男子選手だろう。 「男のこけんにかかわる」のだ。素人のゴルフでさえ、同じ白杭から打って、飛ばされたり、スコアーで負ければ面白くないのだ。
 アニカが挑むこのコロニアル大会は1946年にスタート、テキサスの生んだ名手ベン・ホーガンゆかりの大会で、彼の2連勝で始まった。コースは第1回から変わらない。7080ヤード、パー70、芝はバミュウーだ、グリーンはベント、私も99年の大会を放送している。
 興味深いのは初日、2日のペアリングである。米は予選ラウンドから放送があるから、間違いなく彼女の組が予選での最終組、TVに写りやすいところに設定するはずだ。去年のこの大会の優勝者プライス、今年のツアーの優勝者・レナード、フレッシュと飛距離勝負でない選手か、かつての優勝者、ミケルソン、ガルシア、人柄のいいレーマンか? 先週のチャンピオンで、決勝ラウンドで彼女と一緒だったら「棄権する」と一度は言って、撤回したシンはなんと「彼女のせいではない」といって欠場した。彼女が勝つとか予選を通過するとか、そうゆう結果より、どう戦うのか、その経過を見たいものだ。 男子の世界的選手がどう反応するのか、その表情や感想に興味深々である。
 因みに、去年の予選通過は+3と難しい。入り口に立つ銅像のホーガンさんはどんな思いでアニカを迎えるのだろう。


アニカ・ソレンスタム
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