Column No.31 (2003/06/04デイリースポーツ掲載分)
◎「道子復活」余話

 先週の日本の女子プロゴルフツァーで服部道子が2年ぶりに勝ち、復活を印象づけた。今度も中島常幸が甦った時と同じように、フィジカルトレーナーの石渡俊彦さんの力が大きかった。ここ数年、日本でもティーチングやフィジカルの指導者の重要性が認識され、脚光を浴びるようになってきた。プロを指導するプロはトーナメント選手より「下」に見られがちだが、少しづつ意識が変わってきたことは喜ばしいことと言えよう。
 石渡プロに服部選手との指導の様子を聞くと、今年に入って携帯に本人から連絡があったという。石渡プロの出した結論は、コースの攻め方、身体の動かし方を変え、スイングを修正、フェードと捕まったストレートボールを打つ、パットの重心の位置を変えることを提案し、ここまで取り組んできたという。女子のシード選手の指導をするのは始めての経験だったそうだが、賢く貧欲な服部選手は飲み込みもよく、次々と吸収していった。むしろ「結果が出るのがちょっと早すぎました」
 「今度のテーマは何ですか?」と聞くと、「身体をつくるのは食事なので、内蔵も含めて体力づくりを行い、夏を乗り切り秋にバテないようなプロゴルファーの身体にさせたい」とフィジカル面を強調したのだった。
 私も「みっちゃん」には懐かしい思い出がある。学生時代、米に留学した服部は85年に全米女子アマのビッグタイトルをとり、87年の全米女子オープンではベストアマに輝いた。放送席にゲストで迎え、岡本綾子の優勝争いを見ながら話してもらった。クレバーでハキハキと受け答えをしてくれた。プレーぶりも物怖じせず、飛距離も出ており、「よらば切るぞ」と表現したくなる大きなスイングに、米のギャラリーは「ほぉっ!」と感嘆の声を発したものだ。
 34歳とまだまだこれからだ。米のスターは40歳代が目白押しなのだから。
 「次は、島村さんを育てようかなぁ」
 「うへっ、これだけは無駄骨になるね・・・」
 毎年、私のコンペには石渡プロのストレッチ指導があるのです。



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