Column No.48 (2003/10/08デイリースポーツ掲載分)
◎プロスポーツを産業に

 最後にもたついたとはいえ、阪神が優勝を決めたのは9月15日、あれから3週間が過ぎた。ダイエーも詰めに失敗、オリックス戦で2試合連続の延長サヨナラ負けもあり、王監督の胴上げは9月30日だった。今日現在でペナントレースの全日程を終了したのは、パーのダイエー、西武、近鉄の3球団だけである。
 優勝が決まったあとの試合を、いい言葉ではないが消化ゲームという。もちろん、順位争いはまだ残っているのだが、セの場合、阪神の優勝があまりにも早すぎたため、阪神優勝の翌日からの試合は広島21、ヤクルト15、横浜13、阪神、中日、巨人は12試合が残った。スポーツ紙の紙面を飾るのは試合ではなく、監督の去就に関するものになった。これは試合の興味がなくなったのだから仕方のないことでもあろう。問題は毎年くり返すスケジュールの管理にあるのだ。コミッショナーはいつまでこの1ヶ月以上も続く消化試合のあり方を検討しないのだ。
 米大リーグは公式戦が終わるや否やプレイオフに突入した。ファンの興味をそらさないのだ。プロの国、米はフットボール、バスケット、アイスホッケー、ゴルフなどのプロスポーツと切磋琢磨しているのだ。1ヶ月もつまらない試合をしていれば、ファンは野球から離れてしまう。公式戦、プレイオフ、ワールドシリーズと一気に上り詰めていく。日本のように、日本シリーズに向けての「調整はどうどうなんだ?」などという呑気なことはやらないのだ。五輪予選にプロを参加させるより先にやることはあるはずだ。プロの競争がないから「本当のプロ」の戦いを見せられないのだ。言っておくが、米は五輪の期間だって公式戦の方が大事なのだ。そう考えるとプロのあり方としては、日本はまだまだと言わざるを得ない。
 神宮での関東での最終戦で星野監督とスケジュールの話をした。監督曰く「日本は、まだ興行なんだなぁ、アメリカのように産業にせなぁ、あかん!」
 その通りや、このダラダラを何とかせい!消化試合をしゃべる身にもなってみい!



--- copyright 2001-2003 New Voice Shimamura Pro ---
info@shimamura.ne.jp