Column No.53 (2003/11/05デイリースポーツ掲載分)
◎NBA始まる

 NBAのレギュラーシーズンがスタートし、今年は99年以来4年ぶりに日本で開幕カードが行われた。シアトルスーパーソニックス対ロサンゼルスクリッパーズという、地味なティーム同士の対戦なので日本のファンの反応はどうなのか、少々心配して取材に出かけてみたが、30日の木曜日はほぼ満員、土曜日の11月1日は2万人収容の埼玉スーパーアリーナが満員の歓声に包まれ、大いに盛り上がった。
 プロ化の進まない日本だが、NBAに対する人気は相当なものがある。何よりも、NBAスタイルの「ファンを楽しませる」演出に日本の若者はすっかりのって、終始楽しんでいる。NBAは試合が中断されているタイムアウトを有効に、ショウアップする。マスコットのユーモラスな演技、チァリーダーの派手なダンス、ファンをコートに引き込んでのゲームなど常に観客を飽きさせない。試合の緊迫感とプロらしいスーパープレーの合間のユーモラスな演出が対照的なだけに、3時間があっという間に過ぎてしまうのだ。まさに、作りあげた、演出されたイベントになっている。そこには、音楽・映像・アナウンス・証明・演技など舞台の演出を見ているようなのだ。
 スタンドのファンはスティックバルーンという空気の入ったスティックを両手に持ち、場内アナウンスに合わせ振り、叩く。若者の応援感覚にピッタリなのだろう。なにしろ5万円から1万5千円までの高額チケットを買ってまでNBAを楽しんでいるファンが2万人もいるのだ。それだけに、日本のバスケットのプロ化が待たれるのだ。
 この試合、シアトルのラシャ−ド・ルイスが自己ベストの50点をマーク、日本のファンを喜ばせた。高いチケットだったが、その価値は十分あったといえる。このルイスは高卒の6年目の選手である。高卒といえば、今季注目のドラフト一位、キャブスのレブロン・ジェームスはデビュー戦で25点をマーク、神・ジョーダンを上回る堂々のデビューを飾った。高校時代から彼は「キング」と呼ばれている。これからレブロンだどんな「王様」になっていくのだろう。NBAの中継をジェイ・スポーツのライブで楽しんでほしい。木曜と日曜、私もマイクを握る。



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