Column No.59 (2003/12/17デイリースポーツ掲載分)
◎チャリティコンペから

 プロ野球のオフシーズン、1年分を一気に楽しもうと、連日ゴルフ場通いの選手たちが多いはずだ。最近は社会貢献をテーマにしたチャリティコンペもやたらと目につく。
 11月に62才の若さで亡くなられた元巨人・V9のバイプレイヤー、コーチだった瀧安治さんのべべサンタクロースゴルフチャリティが12月10日に行われた。この会はガン撲滅をテーマにホスピス患者の慰問なども含め、プロ野球人が選手会の協力を得て1988年から続けており、昨年で15回を数えている。
 ところが、この会の事務局長を勤めていた瀧さんが大会を前に肝硬変のため亡くなられた。臨終の瀧さんの遺言は「べべサンタを頼む・・・」
 ここ数年は病を押して少年野球とべべサンタの活動に、それこそ命がけだった瀧さんの臨終に応えるべく、大会に協力してきたプロ野球人が立ち上がった。殊に、毎年協力してきた中畑清、篠塚和典、川相昌弘さんら巨人OBは、前夜祭も含めチャリティに労を惜しまなかった。中日にトレードが決まった川相選手は名古屋で契約を済ませ、とんぼ返りで参加してくれたのだった。
 第16回大会は瀧さんの祈りが通じたのだろう、秋晴れのような真っ青な空のもと、プロ野球人とチャリティに協力した企業の人々55人が、池に幾つものボールを打ち込みながらもプレーを楽しんでいた。
 毎年驚かされるのだが、プロ野球選手の飛距離は半端ではない。来季から阪神の二軍コーチに就任する中尾孝義さんは、池越えの350ヤード・パー4をぴったり、ワンオンで乗せイーグル、あわやパー4のホールインワンになりそうだった。田淵さんがいなくなっても中尾さんが飛ばしの極意を教えてくれそうだ。ゴルファーにしたいほど飛んで、巧い、全巨人監督・原辰徳さんはベスグロの74、上がりはバーディ、バーディーとプロゴルファー並みだ。
 懇親会の席で原さん、篠塚さんたちは「これからは、企業頼みではなく、違った形でもいいから瀧さんの意思を受け継いでいきたい」と話していた。
 ひげの「瀧じいさん」は、天国できっと笑って喜んでいるはずだ。



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