Column No.63 (2004/01/21デイリースポーツ掲載分)
◎全豪オープン始まる

 テニスのグランドスラムの最初の大会となる全豪が今年も真夏のメルボルンで始まった。真夏といってもやや肌寒い。風がさわやかなせいなのだろう。
 男子はアガシ、フェレロ、フェデレ、ロディックと、昨年の4大大会の優勝者が揃った。世代交代期といわれる中で4月には34歳になるアガシが全豪の連覇を飾ることが出来るのだろうか。大会を前にした会見で「自分のやり方を変えるつもりはない」と言い切っている。自分の道に徹するアガシは、この大会では7回出場して4回優勝、00,01,03と優勝、02年は手首の怪我で出場しなかったので、最後に負けたのは99年の4回戦にまでさかのぼる。力をつけたロディックら若手のスターを交わすのは至難に近いがテニスの究極の極意を見せて欲しいものだ。
 女子はセレナ・ウイリアムスとカプリアティが故障で欠場、キム・クライシュテルスも怪我を押しての出場となる。ビーナス・ウイリアムスも久しぶりの復帰と言うことで、昨年グランドスラムの全仏と全米の二冠を取ったエナン・アーデンの優位が考えられる。しかも、エナンは先週シドニーの大会にも勝ち、良い状態でメルボルン入りしている。ビーナスが出てきた状況の中で真の女王としての真価を見せる時といえるだろう。
 日本のエース杉山愛は第8シードとして出場する。今年開幕のゴールドコーストで優勝、堂々のシード選手としての登場である。
 大会直前に私たちWOWOWの放送スタッフとの会食にも快く参加してくれ、リラックスのほどが伺えた。杉山さんのティーム一員の丸山淳一さんが今回から解説者に加わったので昨年来のシード入りの秘密を聞くと、ここ2年間のトレーニングの成果だという。杉山のテニスの特徴は「走り・拾い・相手の隙を突くテニス」である。そこで、どんな状態でも安定した姿勢を取れるような身体に改造するトレーニングに取り組んできたそうだ。色々な種類のトレーニングを行う中で、いつも体の中心を意識すること。具体的には臍の下5センチ位のところに、いつも中心を置く意識をしてトレーニングを続けてきており、その結果どんな厳しいボールに対しても身体の中心を崩さずに動けるのだという。精神面の充実も勿論あるという。トップレベルでも明らかに力量の差はあるのだが、杉山はこういっているそうだ。
「ビーナスでさえ彼女が80%の力しか出せず、私が100%出し切れれば勝てるチャンスはある」という。
 杉山は20日の一回戦、ロシアのパノワに快勝、順調に勝ち進めばベスト8での対戦になる。充実しているなら取りこぼしはしてほしくないものだ。WOWOWでは150時間の放送を予定している。ぜひ、衛星(アナログまたはデジタル)をつけてご覧下さい。




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