Column No.109 (2005/01/19デイリースポーツ掲載分)
◎全豪オープン百周年


 真夏のオーストラリア・メルボルンに来ている。緑に溢れたメルボルンパークの中にあるナショナルテニスセンターで四大大会の幕開け・テニスのオーストラリアンオープンが始まった。今年は1905年に国内選手権としてスタートして、ちょうど100年を迎える。
 テニスの世界のトップレベルの浮き沈みは激しい。スター級の選手達はけがを避けて通ることができない。
 女子はウィリアムズ姉妹のパワーテニスが続くのかと思ったが、怪我や彼女たちのやりたいことが他にもありテニスに集中できない間にベルギーのエナンとクライシュテルスが取って代わった。しかし、二人は怪我や病で去年から苦しみ始めた。すると、アイドル・シャラポワ、実力派ミスキナらロシア勢が女子のテニス界を席巻した。シャラポワの人気は日本でも大変なものだし、今大会の目玉とってもいいだろう。大会の盛り上がりは彼女の活躍とオーストラリア勢の奮起にかかっている。
 男子はスイスのロジャー・フェデラーが圧倒的な安定感を見せている。去年、グランドスラム3勝、年間11勝、何しろ憎らしいほど負けないのだ。人気の豪打・ランク2位のロデックが10回対戦して1回しか勝てないほどだ。今の大会名はロシアアンドフェデラー・オープンというところだろう。
 ただ、地元オーストラリアが燃えている。男子のエース・ヒューイットが先週の大会で優勝、女子のアリシア・モリクも優勝し、大成長をとげている。何しろ、テニス王国だったオーストラリア、ファンの熱狂的な後押しかプレッシャーになるのか男子は76年、女子は78年以来かれこれ30年近くチャンピオンが誕生していないのだ。
 ところで、我が日本勢は女子5人と男子1人の6人が出場する。初日、浅越しのぶはドイツのアンケ・バルナを寄せ付けず終始積極的に攻めまくって快勝した。去年の全米の自信からか、その集中力と余裕が感じられた。杉山愛は元気なく緒戦敗退、どうやら主役交代なのだろうか。男子の鈴木貴男は予選から勝ちあがり絶好調を維持、1回戦で米の人気者ギャンブルを破る快挙、日本人の男子が全豪で勝ったのは89年の松岡修造以来というから喜ばしいとともに、ちょっぴり悲しい。
 この2試合、残念ながらテレビの中継コートにはなかった。強くならないとテレビは取り上げてくれないのだ。鈴木の2回戦はフェデラー、今度はメインコート間違いなしだ。
 連日、12時間のWOWOWの放送をご期待ください。



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