Column No.137 (2005/08/03デイリースポーツ掲載分)
◎ 講演の旅も楽し

 地方の新聞社が行う講演会にここ数年協力させて貰い、月に1、2度各地へ出掛けている。講演会は政治、経済など地方の有識者にとって役に立つ?お堅い話が多いそうだが、たまにはスポーツの勝負を語る話も興味を持って頂けるようだ。
 今年も放送の合間をぬって宮崎県の高鍋、日向、広島県、福岡県の大牟田、飯塚などにお邪魔した。地方を訪ねるのは楽しい。
 先週は北海道の室蘭に初めて行った。
 「快晴の日は少ないのです」と案内してくれた女性の報道部長さんが話してくれたが、この日は見事に地球岬から太平洋のを一望する幸運に恵まれた。この日の話は日本のスポーツ界の発展、地域とスポーツ、五輪と野球、プロ野球の優れた指導者のあり方をテーマにした。
 日本のスポーツ界のこのところの発展は、今行われている世界水泳選手権をみれば明らかだ。日本の活躍は経済的に恵まれスポンサーやテレビマネーがつき、海外への遠征や合宿が当たり前のようになったこと。トレーニング環境も全国おしなべて整備されてきたこと。優れた指導者がプロとして高い技術と知識をもつようになったこと、などが上げられる。地域とスポーツの結びつきは今後一番変化して欲しい課題である。今までは高校野球に象徴されるように、地域とアマスポーツが密接に郷土意識をあおり結びついてきた。また、地域と企業が絡み合って発展してきた。しかし、これからはアメリカのように地域にプロスポーツがフランチャイズをおくようになって欲しいのだ。アメリカはプロの国、各都市には必ずプロスポーツの本拠地がある。どんな小さな町にも野球でいえば、大リーグの下の組織があり、町の人は「我らのティーム」を誇りに思い応援する。町への経済効果も期待できるのだ。
 五輪と野球に関していえば、五輪から野球が外されたことは不幸なことだが、もう一度、アマチュアが主役の五輪に戻って欲しいのだ。欧州やアフリカで野球は無関心な競技である。五輪にプロを集めるより、野球の国際化のための指導を地道にやることが最も必要なことだろう。
 室蘭の講演ではおばさん女性パワーに驚かされた。講演のあと、10人の女性陣だけがスナックに集合、海の幸あり、カラオケあり、中にはバルセロナ五輪のTシャツ姿で盛り上げてくれたりしてくれた。
 その夜は登別温泉の宿、「ババンババンバンバン」と思わず「いい湯だな」を口ずさんでしまった。忙中閑あり。



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