Column No.161 (2006/02/08デイリースポーツ掲載分)
◎ キャンプの旅から

宮古島の方々は皆さん明るい(琉球踊りをご一緒に・・・)


 メルボルンの全豪オープンテニスの中継から帰るや、休むまもなく、プロ野球キャンプの始まった沖縄にやってきた。12球団全部をまわるキャンプの旅のスタートは話題のオリックスからと決め、宮古島へ飛んだ。サトウキビ畑に囲まれた宮古島市民球場、去年までは静かなキャンプ地だったが、今年は「清原さぁん、ノリさぁん、こっち向いてぇ、関西から応援にきたんやんら、頼むわぁ」と賑やかなおばさん軍団の掛け声が飛び交う。報道陣の数の多さは昨年までとは大違い、キャンプ初日は160人の報道陣が宮古島市民球場に集結、例年の5倍の数になると聞く。清原、ノリのキャラクターと生真面目な印象の中村新監督とのミスマッチがかえってマスコミの話題になっているようで、キャンプの雰囲気も活気に溢れている。昨年大リーガーになれず、その悔しい思いを今年に託す中村ノリ、最後の死に場所を求めて存在感いっぱいの清原の加入で強力な打線が出来上がりそうだ。3人の外国人も評価は高い。谷が1番、2番に平野となると村松、北川、塩崎のレギュラー陣も確約できず、競争の渦の中に巻き込まれている。1つのポジションに3人が競うとなれば、今までにない層の厚い布陣になっている。
 今年は久しぶりに神戸、大阪の球場に多くのファンを呼べるオーダーが組めそうだ。清原は元気一杯、初日からフルメニューをこなして大張り切りなのだが、シーズンを通して怪我なしで過ごすことができるのかは、保障の限りではないだろう。責任感の強い清原だが、全盛期の彼の力と同じものを期待するのは酷だろう。鍛え上げられた肉体美を見ると、「凄い」と感嘆するのだが、あの西武時代を望んでは失望することも有るかもしれない。どちらかといえば、ノリの大きな柔らかいバッティングが大きな成果を残しそうな感じがするのだが、いずれにしても、大きな二つの核を、死して残した仰木マジック、宮古島のキャンプ地の空で仰木さんは笑顔で見つめていることだろう。仰木さんといえば、教え子のイチローがあさって10日に宮古島にくる。土・日の紅白戦にはイチロー、清原、ノリと3人そろって出場する。宮古島史上最大のフィーバーになること間違いないだろう。今、中村新監督の心配ごとは投手陣、エースは誰か、新外国人は実績どおり働くか、平野、岸田と若手が出てくるのか、期待の打線と不安の投手陣、「ザワワ、ザワワ」と海風に音を響かせるサトウキビの葉音のように、今年のオリックスは期待と不安が入り混じる。


背番号5・清原選手もフルメニューで・・・


--- copyright 2001-2006 New Voice Shimamura Pro ---
info@shimamura.ne.jp