Column No.164 (2006/03/01デイリースポーツ掲載分)
◎ いよいよWBC始まる

 大リーガーが参加する初の国際野球大会が3日から始まる。今春のキャンプはワールドベースボールクラシックに出場する日本代表選手の仕上がり、使用球への対応、球数制限の影響など、いつもの年のキャンプ情報とは、また違った内容の話題が各社とも多かった。五輪も終わり、今度は世界の野球に目を向ける弥生・3月である。
 WBCは世界に野球を広め、子供たちに夢を与え、日本球界の発展と活性化という大きなテーマの下、王監督は並々ならぬ決意でこの第1回大会に臨もうとしている。福岡ドームでの合宿を取材し、エキシビションゲームの放送をして感じたことは、イチローの存在感とリーダーシップによるティームの団結が素晴らしいことだ。最近はやりの「スモールベースボール」、王監督の「日本の特徴を生かし、投手のコントロールと、走り、小技を生かす」というテーマは完成されつつあるように思う。イチローを挟む西岡と川崎が見事に機能している。象徴的な攻撃は日本選抜との試合の立ち上がり、イチローのヒット、続く西岡のバントヒット、岩村、松中の内野ゴロで先取点をとったところだろう。松中も「オレが、オレがではなく、繋ぐ気持ち」と話している。
 問題は球数制限だろう。上原が日本選抜で見せたお手本ようなピッチングがいつも、出来るとは限らない。多く投げて調子を上げていく松坂はあまり球数を気にしない方がいいのではないだろうか。渡辺も自分のペースに徹する方が特徴が出せるような気がするのだ。いずれにしても、球数制限というのは、本来の野球のあり方ではない。この時期、投手の肩の怪我に繋がらないように配慮した「変則的なルール」なのだ。野球が変わってしまうことは覚悟しなければならない。
 一般的に、あさってからのアジア1次リーグは日本は勝つて当たり前と思われている。王監督は「アジア予選は最もプレッシャーを感じる」という。国旗を背負って戦う時の韓国は強い。今度のオリンピックを見ればよく分かるはずだ。日本は2次リーグに進むとアメリカとの対戦が予想される。「米と共に2次リーグに進み、準決勝で米と対戦する。ここまでは、何が何でも行きたい。そうすれば、決勝戦も見えてくる」と王さんは厳しい表情の中に決意を固めている。勿論、大リーガーを並べる国は米だけではない。ドミニカ、ベネズエラ、プエルトリコ、カナダ、メキシコ、と多士済々、米大リーグは世界の国から選手が集まっているのだ。
 私がマイクをもつジェイスポーツ(スカイパーフェクト)はこの大会のホストブロードキャストを務める。決勝までの各地区予選を含め、全39試合を生中継する。世界の野球を楽しんでください。



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