Column No.171 (2006/04/19デイリースポーツ掲載分)
◎ 女子シニア、健在なり

森口祐子プロと・・・・

 先週の土・日、静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで第2回のワールドシニアゴルフレディースオープンが行われ、世界殿堂入りしているパティー・シーハンが往年の力強さを再現するプレーでぶっちぎりの優勝を飾った。女子のシニアは45歳以上、今年の大会にはかっての世界のツアーをリードした懐かしい顔が勢ぞろいした。80年代後半から一昨年位までアメリカの女子ツアーの放送をしていた私は、わくわくしつつも、怖いものみたさ?で御殿場へ出かけたのだ。ビッグママといわれたジョアン・カーナー、相変わらずタバコをふぁっとふかしながら、前かがみでのたのたと歩く。「釣りしてますかぁ」「シーズンはこれからよ、バハマは色んな魚が待ってるのよ」憎らしいほど負けなかったパット・ブラドリーはシニアを楽しんでいるようで「このコースは素晴らしいわ、富士山も最高」ジャン・スティーブンソンは色香も残っているし相変わらず素敵なファッション。サリー・リトル、シンディ・ラリックもスマートなスタイルでシックな装い。日本でプレーしアメリカへ渡ったパティ・リゾの笑顔も懐かしい。全米女子チャンピオンのジェーン・ゲディスは減量して痩せている。シニアの選手たちのプレーを見ていると「変わらないもの」と「変わったもの」がある。仕草、歩き方、くせは変わらない。「あれっ、長尺パターを使ってるだ」「うん、皺がふえたなあ、でも見ないでおこう」
 確かに、年を隠すことは難しい。でも、長年培った技術はプレーのそこここに生き続けている。2日間の試合は雨、霧、冷たさと厳しいコンディション、しかも6,200ヤードをこす距離、早くて固いグリーン、優勝したシーハンだけがアンダーで2位以下はみなオーバーだった。それだけに、アスリートとしての力を維持している彼女の強さに改めて脱帽した。全盛期も男まさりの強打だったが、今でも凄い。ドライバが曲がることもあるのだが、ティーショットは3Wを使い、他の選手と飛距離は変わらない。何といってもパットが素晴らしかった。ピンチはほとんどパットで凌いだ。ただ一人の4アンダー、昔のように肩を怒らせ歩く姿は変わらなかった。昔、彼女たちと対等に戦った岡本綾子さんは会場にきて彼女たちと抱き合って旧交を温めていたが、プレーはしなかった。女子シニアの発展のためにというと、綾子さんは嫌がるだろうから、昔の仲間と、楽しみながらプレーをして欲しいと願ったのは私だけではないだろう。この試合の模様は今週の日曜日、Jスポーツで録画中継する。


かつての賞金女王 パット・ブラットリー


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