■ Column No.217 (2007/03/20デイリースポーツ掲載分)
● 「パ」・今週末開幕

 「セ」より一週間早く、今週の土曜日から「パ」は開幕する。オープン戦、パは今日が最終日になる。オープン戦の結果がそのまま、シーズンの成績になるのかというと、そうとは限らない。それでもファンはオープン戦の結果が気になるようだ。過去のデータを見ると、オープン戦で9連勝以上したティームは5ティームあるのだが、どのティームもシーズンの優勝は逃している。
 オープン戦で最も投打のバランスがよく、ティームが出来上がったのは、日々元気になっていく王監督復帰のソフトバンクだろう。小久保、多村の加入で松中と組むクリーンナップは球界一の安定感、去年のような「スモールベースボール」は何処かへ吹っ飛んだ。本多、江川、城所ら若手もレベルアップ、大村の出遅れと捕手の固定化位しか難点が見当たらない。投手陣は先発ローテーションの斉藤、杉内、和田、新垣、ガトームソン、神内が揃って仕上がりは順調、中継ぎから押さえの馬原まで誰もが好結果、失敗したのは高橋ただ一人という怖いぐらいの内容だった。福岡を後にしてロードに出た7試合も全て勝ち連勝で打ち上げている。アキレス腱があるとすればクリーンナップが怪我なしで長いシーズンをこなせるかだけだろう。
 裏金問題で暗いニュースの西武が、オープン戦では「負けない西武」の野球をやり続けた。何しろ3月に入ってからは4引き分けを挟み 9連勝、オープン戦のトップでゴールインした。松坂が抜けて「今年は危ない」と思われたが、昨年秋のキャンプから伊東監督以下選手たちは「大きな危機感」をもってニューライオンズのティームづくりを行ってきた。野手の選手層の厚さは、リーグ1、いや球界一かも知れない。2、3のポジションを除けば、レギュラー、準レギュラーがひしめいている。その中からオープン戦ではリーファー、GG佐藤、江藤が大活躍している。松坂の代わりを誰かに望むことが酷なのだが、オープン戦は数で補ってきた。伊東監督の逆境での強さは3年前に就任した年に日本一になったことでも証明済みだ。あの時も、怪我人が多くキャンプが終わった時、Bクラスも囁かれたほどだった。この春もカブレラ、和田、赤田の調整遅れがあるのに、負けずに連勝してきたティーム力、25年間Bクラスなしという歴史は今年も「ティーム力」で継続していくのかも知れない。
 ロッテの巻き返し、小笠原の穴はあっても投手力は変わらない日本ハム、田中の刺激と岩隈の復調で侮れなくなった楽天、コリンズ新監督とローズの復帰したオリックスとクライマックスシリーズがあるだけに、どこにもチャンスはあるだろう。



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