■ Column No.219 (2007/04/03デイリースポーツ掲載分)
● 40年ぶりのラジオ

 先週の土日、高松市総合体育館で行われたバスケットのBJリーグの実況中継をやっていた。放送はFMラジオである。バスケット中継は毎週のようにNBAをやっているのだが、ラジオのバスケットをしゃべるのは、なんと40年ぶりのことになる。それは、モントリオール五輪の時のことで、男女ともに五輪に出場、女子はメダルの期待さえかかっていた時だった。思えば、日本の男子はそれ以来五輪とは縁がない。
 アメリカのNBAは現地に行けばラジオの放送はどこでもやっているから珍しくはないのだが、日本では今やラジオのバスケット放送はまず五輪の時しかないといってもいいだろう。
 今回はFM高松という高松市だけの狭いローカルのコミュニティ局が、何とかバスケットの放送をやってみたいのだが、誰も経験がない。しかもスポーツ実況もほとんどやったことがないので、指導を兼ねて手伝ってはくれないか、という依頼があり、40年ぶりにバスケットのマイクを握ってみた。何しろバスケットは終始ボールが動いている。3時間近くゃべりつづけなくてはならない。しかも、高松のケーブルテレビが中継していて、そのFMラジオをそのままテレビにのせるという「恐ろしい」放送スタイルだった。
 試合は4ヶ月に渡って戦ってきたリーグ戦の最終カード高松ファイブアロウズ対大分ヒートでビルズ、両チームともにプレイオフ進出を決めており、高松が3位、大分が4位、ただ高松は大分だけに分が悪く1勝5敗と大きく負け越していた。最後のカードが地元高松とあって会場は2日間とも、大いに盛り上がった。最終日は2千8百人と超満員、プロリーグ2年目の今年、地域とプロの結びつきは確実に浸透しており、家族ずれや子供たちがバスケットを楽しむ光景が素晴らしかった。特にバンドを入れてのイベントや試合後コートに子供たちを入れサインをしたり写真を一緒にとったりと今までのプロ組織には見られないファンサービスが印象に残った。
 連戦のラジオ放送はどうだったかと言うと、初日は高松が逃げ切って勝ったこともあり、若い頃に戻って「ガンガンしゃべってもまだいけるなあ」と自己満足、二日目は最後に大分が逆転勝ちで地元はシュンとしたのだが、さすがにナイター、デーゲームの連戦は「くたびれたぁ」というのが本音、やっぱりテレビの方が「息が抜ける。年だなあ」
 このBJリーグは最後に上位4チームのプレイオフが4月下旬にあり、大阪対大分、新潟対高松で最後にチャンピオンが決まる方式である。外国人選手が数多くダイナミックでスピーディなプレイを楽しめるプロのBJリーグ、バスケットファンは一度ご覧あれ。



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