■ Column No.231 (2007/06/26デイリースポーツ掲載分)
● 奮起せよ・セリーグ

 先週土曜日、日本ハムは甲子園での阪神戦に延長戦で勝ち、セパ交流戦の優勝を決めた。昨年までの2年間、交流戦で負け越してきた日本ハムだが、今年は交流戦を境に14連勝、交流戦だけでも12連勝を飾った。小笠原、新庄がぬけ、去年の日本一のティームを優勝候補の筆頭に上げる評論家が少ない中、見事なヒルマン監督のティーム運営と采配の成果といえるだろう。これで、ここ3年間の交流戦の覇者はロッテ、ロッテ、日本ハムと3年連続パリーグのティームが優勝している。
 いつの頃か、かなり昔から「人気のセ、実力のパ」というキャッチフレーズがある。由来は定かではない。日本シリーズの歴史を紐解いても、川上監督のV9を含む11回の日本一があるので、セリーグの方が7回も日本一の回数は多い。恐らく、オールスターの対戦でパの方が大きく勝ち越しているし、劇的な勝利の試合が多いからなのかも知れない。
 巨人戦の視聴率が極端に落ち、巨人の人気は下落したとはいうものの、まだパリーグティームの人気は局地的だということを最近感じたことがある。
 静岡市での講演で監督論をお話したのだが、150人近い受講者に「ヒルマン監督、バレンタイン監督に興味があり、好きだと思っている方」と問うと、僅かに一人ずつしか挙手は無かった。「星野五輪監督は?」と聞くと、殆どの方が手を挙げた。勿論これだけでは判断できないが、またまだ、パリーグの日本一、アジア一の監督への興味は多くないということだろう。
 しかし、このところのプロ野球はパリーグを中心に動いているよう気がしてならないのだ。デーリーの読者は百パーセント阪神ファンだろうから、不愉快かも知れないが、交流戦はパリーグティームの3連勝、このところの日本シリーズはダイエー、西武、ロッテ、日本ハムとパリーグの4連勝が続いている。
 こじつけと言ってしまえばそれまでなのだが、大リーグで活躍する選手もイチロー、城島、井口、松井稼、田口、松坂とパリーグ出身者の方が質量ともに上回っている。もっとこじつけるなら、今セリーグのトップを走る巨人の主力は谷、小笠原、李、木村拓、小坂、豊田とパリーグで活躍した、パリーグのイメージの選手ばかりなのだ。阪神だけを見ている阪神ファンには興味のないことかも知れないが、パリーグ上位ティームの力と選手の育て方、活躍度は、少なくともパリーグの方が上だといわざるを得ない結果になっている。
 今や、局地的人気でいえば、ソフトバンク、日本ハム、楽天、ロッテは観客数を上昇させ続けているのだ。「人気も実力もパ」と言われないためにも、「セリーグが結果を出すこと」を願いたい。プロは「結果が全て」なのだ。



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